2024 12/5
斉藤晃技術部長
◇アルミ枠のガラス交換対応 「先進的窓リノベ」で業界初〈AGC〉
AGC(平井良典社長)は12月から、業界最高峰の断熱性能を実現したリノベーション向け真空断熱ガラス「FINEO(フィネオ)49」の試験販売を中部・北陸地方限定で開始。パナソニックとの共同開発製品で、既に試験販売している「FINEO」のガラスの熱貫流率(Ug値)0.87W/u・Kを上回る、0.49W/u・Kを実現。フロートガラスを熱処理して強度を高めることで、呼び厚さ6oの薄さで高性能を実現した。業界初の「先進的窓リノベ事業」のガラス交換(アルミ枠)でAグレードを上回る性能を保持。「フィネオ49」「フィネオ」ともに鉛フリーの真空封着材を採用しており、環境に優しい。ともに全国販売は2026年上期の予定。斉藤晃建築ガラスアジアカンパニー日本事業本部新市場開拓部技術部長に話を聞いた。
グランプリ受賞作品
◇フロント材使いが多角的 ストアフロントコンクール〈昭和フロント〉
昭和フロント(東京都千代田区、笹澤英夫社長)は11月18日、「第55回ストアフロントコンクール」受賞作品を発表した。過去最多となる2307件が応募。窓やドアに加え、汎用材を使用したガラリやルーバーを組み合わせて機能を充実させたり、建築の形態や色彩、鏡、照明、ソーラーパネルなどと調和させたり、外部の緑や遠景と連携させた作品があり、フロント材の使い方が多角的になっている。「AICAFE VILLAGE PROJECT」(山梨県)がグランプリを受賞した。
「YKK AP30ビル」外観1階内観
◇ZEB実現、健康配慮 「YKK AP30ビル」完成〈YKK AP〉
YKK AP(東京都千代田区、魚津彰社長)は10月29日、富山県黒部市の同社黒部製造所内で建設を進めていた「YKK AP30ビル」が完成した。製造部門の本部機能と本社機能の一部を持ち、部門間と東京本社との連携を強化する。「個・組織・社会をつなぎ、経験と感動を共有する」をコンセプトに、自然環境とそこで働く社員の健康に配慮した「杜(もり)の中のオフィス」を掲げる。建物全体の省エネ設計に加え、黒部の自然エネルギーである風や光を活用したパッシブデザイン、敷地内での太陽光発電等の創エネなどに取り組み、年間の1次エネルギー消費量が実質ゼロまたはマイナスとなるZEBを実現した。
高性能窓「TW」
◇高日射取得仕様を追加 「TW」「EW」トリプルと複層〈LIXIL〉
LIXILは11月1日、高性能窓「TW」と樹脂窓「EW」のトリプルガラスと複層ガラスに、Low―Eクリア(高日射取得仕様)を追加した。より豊富な選択肢から地域の気候特性に最適な窓を選べるようになり、快適性向上、環境負荷低減に貢献する。「TW」はアルミと樹脂の複合構造の窓として業界トップクラスの断熱性能(熱貫流率0.98W/u・K)でありながら、樹脂窓よりスリムなフレームでガラス面積が大きい。高日射取得仕様の採用で、複層ガラス仕様の日射取得率は0.54と業界トップクラスを実現する。
「コートヤード・バイ・マリオット京都駅」堰u(仮称)文京区向丘1丁目計画」
◇新幹線アルミを建材へ 製造時CO2排出大幅減〈三協立山、JR東海〉
三協立山(富山県高岡市、平能正三社長)はこのほど、JR東海、ジェイアール東海商事と共同で、東海道新幹線車両のアルミをリサイクルした建材「Re ALumi(リ・アルミ) T」を開発。三協アルミ社が販売する。東海道新幹線再生アルミの高い強度・耐候性・表面処理性を生かした建材で、一般的なアルミ建材と比べて製造時のCO2排出量を大幅に削減。カーボンニュートラルの実現に寄与する。マテリアルリサイクルを通じてアルミの国内循環比率を向上させることで、サーキュラーエコノミーの実現にも貢献する。