2021 8/22・29
◇10月1日から一斉値上げ 構造改革進め強い決意で〈メーカー3社〉
板ガラスメーカー3社の国内建築用ガラス製品の値上げ発表が出そろった。AGC(平井良典社長)が7月15日、日本板硝子(森重樹社長)が同29日、セントラル硝子(清水正社長)が8月2日にそれぞれ発表。国内建築用ガラス製品を10月1日納品分もしくは出荷分から価格改定する。引き上げ率は製品によってAGCが10〜30%、日本板硝子が15〜35%、セントラル硝子が10〜40%と、2年前(2019年10月1日から実施)の前回価格改定時の引き上げ率よりも高い。今回は各社とも国内建築用ガラス事業の生産窯の削減など大規模な構造改革、リストラ、組織のスリム化、流通改革などを実施した上での値上げ実施となるだけに、収益改善を主目的にした強い決意で臨む姿勢がうかがえる。
UR賃貸住宅は省エネ対策として複層ガラスを標準仕様とする方針=イメージ
◇複層ガラス標準仕様 ストック約69万戸が対象〈UR都市機構〉
独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)はこのほど、UR賃貸住宅について国が検討中の支援策を踏まえながら、建て替えもしくはサッシ改修時は単板ガラスではなく、複層ガラスを標準仕様として省エネルギー対策に取り組む方針を明らかにした。UR賃貸住宅の約71万戸のストックのうち、土地所有者への返還などを予定する約2万戸を除く約69万戸が対象となる。内閣府が設置した「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」は、国土交通省の管轄であるUR都市機構の賃貸住宅の改修について複層ガラスでの改修を要請していた。
「シーガルスリット」
◇個別認定品を拡充 高い耐風圧・水密性能 さまざまな場所に〈LIXIL〉
LIXIL(東京都江東区、瀬戸欣哉社長)は、大臣認定防火設備(個別認定品)のラインアップを強化するため、2商品を刷新した。8月1日、ビル用アルミサッシ「PRESEA(プレセア)-S」Fix窓(内押し縁)に耐熱強化ガラス仕様を追加。風量調整機構付き縦型換気ユニット「シーガルスリット」は今回業界初の個別認定を取得。コロナ禍で高まる換気へのニーズに幅広く対応できるようになった。いずれも高い耐風圧性能と水密性能を確保しており、さまざまな場所に使用できる。
◇木製内窓普及を支援 事業者に部品・部材提供〈YKK AP〉
YKK AP(東京都千代田区、堀秀充社長)は7月から、木製内窓の普及促進をサポートする取り組みを開始。国産木材利用の活性化と開口部の高断熱化を促進するため、全国各地で木材の加工や販売を手掛ける木材・木建具事業者と連携。木製内窓専用の部材・部品を開発・提供することで、各事業者による木製内窓の商品化を支援する。取り組みの先行事例として、後藤木材(岐阜市)が、自社の圧密材製造技術を生かした木製内窓「ゴトモクのウチマド」を開発・商品化し4月から販売を開始。同社はさらに連携する事業者を拡大していく。
意匠性が高い木目鋼板も
◇スマホで開閉操作も 間口6mに対応の防火設備〈文化シヤッター〉
文化シヤッター(東京都文京区、小倉博之社長)は、住宅用オーバースライディングドア「フラムヴェスタ」を発売した。車2台分の最大間口6mに対応した防火設備仕様。防火地域や準防火地域でも設置できる。「防火設備タイプ」と、スマートフォンで屋内外から開閉操作ができる「防火設備スマートタイプ」がある。8月4日に首都圏エリアを対象に先行発売し、対象エリアを全国に拡大する。防火設備スマートタイプは、同社専用のアプリケーション「セレコネクト」をインストールしたスマートフォンを使って、屋内や外出先から開閉できる。
「デッキフェンス ルポウッドタイプ」の施工イメージ
◇自然な木質感再現 デッキフェンスを追加〈セイキ販売〉
セイキ販売(東京都練馬区、守谷将人社長)は8月20日、木粉を55%配合した環境に優しい人工木材「ルポウッド(REPOS WOOD)」に、フェンス材「デッキフェンス ルポウッドタイプ」を追加した。「ルポウッド」は、ぬくもりがある自然な木質感を再現し、シンプルながら高級感があるデザイン。天然木に比べて耐候性、耐久性が高く、経年による変色や色あせが少なく、メンテナンス性に優れる。同じ素材のデッキフェンスの要望が多いことから、「デッキフェンス ルポウッドタイプ」を商品化。幅寸法をオーダーできるので、現場での施工負荷を軽減できる。