2014 7/27

◇建築用ガラス製品 値上げ 改定幅10〜20%〈AGC旭硝子〉

AGC旭硝子(石村和彦社長)は7月23日、国内建築用ガラス関連製品の販売価格を9月1日納品分から引き上げると発表した。引き上げ率は板ガラスが15〜20%、ミラー類が10〜15%、建築用加工ガラス製品が10〜20%を予定する。国内の建築用ガラス関連製品は、継続的な原燃材料の市況価格の高騰と2013年から急激に進んだ円安の影響で製造コストが大幅に上昇している。さらに人手不足による人件費や物流費の上昇によって事業採算が悪化した。これら環境下で同社は生産性の向上や事業のスリム化・効率化によるコストダウン施策をこれまで実施してきたが、中東の政情不安による原油市況の高騰などによって、企業努力だけではコストアップを吸収することが難しい状況と判断。このため板ガラス本体価格と建築用加工ガラスの価格改定を実施することを決めた。建築用加工ガラス製品については、AGCグラスプロダクツで生産する加工ガラスも含まれる。板ガラス、建築用加工ガラス製品価格を公に改定するのは2008年1月出荷分から実施して以来の6年8カ月ぶり。




 

◇真空ガラス 国際標準へ 日本板硝子、90年代から展開〈日本板硝子〉

日本板硝子(吉川恵治社長)は7月17日、真空ガラスについての国際標準が制定されることになったと発表した。同社は真空ガラス「スペーシア」を世界で初めて商品化・量産化し、極めて高い省エネ効果を持つ製品として1990年代から展開している。日本工業標準調査会(JISC、事務局=経済産業省)は今年4月に国際標準化機構(ISO)に対して、経済産業省トップスタンダード制度による、真空ガラスについての国際標準提案を行っていたが、このほど正式な新規提案として承認された。今後はISOの技術委員会で審議され、各国の合意が得られれば、真空ガラスについての国際標準が発行されることになる。






 

◇出荷10ヵ月ぶり減 複層ガラス増加も止まる〈板硝子協会〉

板硝子協会(吉川恵治会長)は7月1日、2014年4月の板ガラス生産・出荷動向を発表。生産は前年同月より8カ月連続の増加だったものの、出荷は10カ月ぶりの減少だった。複層ガラスは生産・出荷とも14カ月ぶりに減少した。合わせガラスは生産が2カ月連続、出荷は10カ月連続で増加した。出荷のうち建築用は増加に転じた3月から再び減少。強化ガラスは生産が10カ月連続、出荷は8カ月連続で増加した。板ガラスの生産は210万7000換算箱、前年同月比8・8%増。出荷は201万7000換算箱、同1・2%減。複層ガラスの生産は131万5000平方b、同0・9%減。出荷は125万平方b、同2・0%減。






 

山下社長


◇経常利益41.3%増 攻めに軸足、長期視点で〈三協立山〉

三協立山(富山県高岡市、山下清胤社長)は7月11日、東京都港区の明治記念館で、2014年5月期の連結決算を発表。売上高は2952億3600万円、2013年同期比8・6%増。営業利益は166億1300万円、同37・6%増、経常利益は155億5300万円、同41・3%増、最終純利益は126億9800万円、同9・1%増だった。山下社長はあいさつの中で「就任時に『攻めに軸足を置きたい』という話をしたが、うまく推移している状況だ。駆け込み需要の反動で、市場は冷え込むと予想する人もいるが、私の感覚ではさほど悪くないとみている。長期的視点で推し進めていきたい」と述べた。






 

◇業界初の窓用遮熱網戸 網に特殊コーティング〈サンエス〉

網戸、面格子、手すりを製造・販売するサンエス(横浜市港北区、澤幡里久社長)はこのほど、窓用遮熱ネット「遮熱クールネット」を採用した網戸を発売した。「遮熱クールネット」は積水化学工業との共同開発品。ポリエステルメッシュ生地にステンレスをコーティングする特殊技術で、繊維の一本一本にナノレベルの金属をコーティングした。既存の網戸にネットを張り替えることもできる。遮熱性能試験では、「遮熱クールネット」を採用すると、従来品に比べ室内の温度を7度以上下げる効果があった。UV(紫外線)は69%カットする。通風性があり、金属コーティングしてあるので、室内から室外の景色はよく見えるが、外部からは光を反射して室内が見えにくい(ミラー効果)。特殊コーティングで汚れも付きにくい。夏季の強い日射と暑い外気の熱を遮断するので遮熱効果が高い。






 

昨年のキャンペーンでも売れ行きは好調だった


◇特別キャンペーン実施 切断機全般 Low─E膜取りなど〈尾道造船〉

尾道造船(東京都中央区、03・6214・0305=産業機械部)は欧州、米国、アジアなど海外のガラス加工機メーカーの設備を輸入販売している。中でもイタリア・ボッテロ社の設備はガラス切断機を中心に面取り機、NC変形加工機など、国内に多くの納入実績を持つ。同社はこのほど、9月30日までの期間限定でボッテロ社製切断機の特別販売キャンペーンを開始した。「生産性向上設備投資促進税制」の要件を満たす切断機については、同税制の申請支援も行っている。キャンペーンの対象は、通常の単板ガラス切断機からLow―E膜取り切断機まで切断機全般。老朽化で買い替えの必要がある設備を抱えている加工業者は多く、ニーズをうまく捉え、着実に導入実績を伸ばしている。





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