2020 11/8
◇国内建築ガラス統合を延期 新型コロナ影響〈AGCとセントラル硝子〉
AGC(島村琢哉社長)とセントラル硝子(清水正社長)はいずれも10月29日、両社の国内建築用ガラス事業統合の完了時期を、目標にしていた今年12月末から2021年10月1日〜12月31日に延期すると発表した。新型コロナウイルス感染拡大の影響などによって交渉作業に時間を要しているためという。両社は昨年12月9日付で、国内建築用ガラス事業の事業統合について基本合意したことを発表。事業統合によって、経営と資本の効率化、収益性の向上、企業基盤の充実を図るとし、詳細な検討、協議を進めている。
ブーン・ハウ・リン、ピャエゾーン・アウンスー両氏の最優秀作品
◇180点(海外57点)の応募 課題「ボディ・カルチャー・クラブ」〈セントラル硝子〉
セントラル硝子は10月24日、「第55回セントラル硝子国際建築設計競技」の2次審査を審査委員によるリモート方式で実施し、最優秀賞1点、優秀賞2点、入選4点を選定。佳作10点も決定した。今年の課題は「ボディ・カルチャー・クラブ」。応募180点(国内123点、海外57点)の中から1次審査を通過した7作品をノミネートし、リモートでの公開審査によって、最優秀賞、優秀賞を決めた。最優秀賞は、ブーン・ハウ・リン(日本・フリーランス)、ピャエゾーン・アウンスー(日本・フリーランス)両氏による作品に決定した。
平井良典次期社長(左)と島村琢哉社長
◇AGC新社長に平井良典氏 両利き経営磨き戦略事業伸ばす〈AGC〉
AGCは10月29日、東京都千代田区のコンファレンススクエアで記者会見を開き、2021年1月1日付で平井良典専務執行役員CTOが社長執行役員CEOに就任すると発表した。島村琢哉社長は代表権のある会長に就く。平井氏は「『2025年のありたい姿』の実現には、両利きの経営をさらに磨き、戦略事業を確実に伸ばして太い柱にしていくとともに、新しい戦略分野にもチャレンジしていく。コア事業は成長させるべき事業は積極的に伸ばし、成長性や利益性に懸念がある事業は、構造的な変革も含めて考えていく」と今後の方針を語り、新しい成長に向けて進む。
◇欧米で抗ウイルスガラス 自然光紫外線当たると高効果〈日本板硝子〉
日本板硝子(森重樹社長)は10月27日、抗ウイルスガラス「サニタイズ」の販売を北米、南米、欧州で開始した。同社独自のオンラインコーティングによって施された光触媒膜が、ガラス表面に付着したエンベロープウイルスを不活性化する。自然光の紫外線が当たる共有スペースや、多くの人が触れる場所で優れた効果を発揮する。用途は、学校、病院、レストラン、ホテルなどの建物のファサード(建物の外観デザイン)に用いられるガラスの屋内側、スクールバス、電車、シャトルバス、船舶など多くの人が利用する乗り物の窓ガラス、バス停の待合所や動物園などの屋外共有スペースを想定する。
◇出荷11ヵ月連続減 複層・合わせ・強化も〈板硝子協会〉
板硝子協会(森重樹会長)は11月1日、2020年8月の板ガラス生産・出荷動向を発表。板ガラスの生産は6カ月連続で前年同月より減少、出荷は11カ月連続の減少だった。複層ガラスは生産・出荷とも11カ月連続で減少した。合わせガラスも生産・出荷とも11カ月連続の減少。出荷のうち建築用は7カ月連続の減少だった。強化ガラスは生産・出荷とも11カ月連続での減少となった。板ガラスの生産は114万6000換算箱、前年同月比49.7%減。出荷は135万2000換算箱、同25.1%減だった。
説明する瀬戸社長=インターネットライブ配信画面から
◇全事業で回復基調 サッシプラットフォーム化品 来春発売へ〈LIXILグループ〉
LIXILグループ(東京都江東区、瀬戸欣哉社長)は10月30日、2020年4〜9月期連結決算を発表。売上収益は6605億円、2019年同期比13%減、事業利益は同186億円減の154億円だった。減収減益となったが、7〜9月期は全ての事業で4〜6月期から回復。2021年3月通期の連結業績予想は、8月に発表した事業利益250億円を400億円に上方修正した。瀬戸社長は「全ての事業で第1四半期からかなり力強く回復できた。3カ月前と比べて状況は良くなった」と述べた。生産の効率化のため、2021年春にサッシのプラットフォーム化商品第1弾を発売する準備を進めていることを明らかにした。