2010 4/25
  

「窓」についての業務提携を発表した旭硝子の石村和彦社長(左)とトステムの潮田洋一郎会長


◇「窓」で業務提携 3合弁会社設立へ〈AGC旭硝子 トステム〉

旭硝子(石村和彦社長)とトステム(大竹俊夫社長)は4月15日、ガラスとサッシを一体化した高性能で高品質の新しい「窓」の開発、製造、販売についての業務提携の基本合意書を締結した。合理的な機能分担を目指した合弁事業立ち上げへの協議を開始する。合弁事業の開始時期は2010年中となる見込み。提携発表には旭硝子から石村社長と石河希久常務執行役員ガラスカンパニー日本・アジア事業本部長、トステムから潮田洋一郎会長と大竹社長が出席した。これまで両社はそれぞれ製品開発や性能向上に取り組んできたが、共同で新しい「窓」を開発し、効率的な製造、販売によって普及を促進することで地球温暖化問題の解決に大きく貢献できると考え業務提携に至った。ガラスとサッシで個別に行っていた性能表示や品質保証についても協同で「窓」の性能保証体制を構築し、「窓」品質への信頼性を高める狙い。






 

次期社長に決まったクレイグ・ネイラー氏(左)と藤木勝司社長


◇社長交代を発表 ネイラー氏(米国)就任へ〈日本板硝子〉

日本板硝子(藤本勝司社長)は4月15日開催の取締役会で、取締役代表執行役社長兼CEOに米デュポン社元上席副社長のクレイグ・ネイラー(CraigNaylor)氏の就任を内定した。藤本社長は取締役会議長兼取締役会長、出原洋三会長は退任し相談役に就任する。阿部友昭取締役副会長は継続就任の予定。ネイラー氏は5月1日にCEO就任予定者として入社し、6月29日に取締役代表執行役社長兼CEOに就任する。ネイラー氏は1948年生まれ、米国ペンシルベニア州の出身。70年スティーブンス・インスティチュート・オブ・テクノロジーを卒業し米デュポン社に入社。エンジニアリング・ポリマー開発マネジャー、同製品ディレクター、ナイロン・レジン担当のグローバルビジネスディレクターを歴任。96年エンジニアリング・ポリマー担当上席副社長兼ゼネラルマネジャーに就任し、その後高機能材料事業部門、アジア太平洋地区、電子・情報技術部門担当の上席副社長として活躍。米国のほか日本、スイス、中国での勤務経験を持つ。2005〜09年自動車部品メーカーの米デルファイ社の社外取締役も務めた。




 

◇新築戸建ては40%超 エコガラス普及率を調査〈板硝子協会〉

硝子協会(皿澤修一会長)は4月14日、2009年の新築の戸建て住宅ではエコガラス(Low―E複層ガラス)の戸数普及率が40%を突破したと発表した。面積普及率も30%を超えている。2009年の新築戸建て住宅と共同住宅の、複層ガラスとエコガラスの普及率アンケート調査を実施した結果による。新築戸建ての複層ガラス全体の戸数普及率は95%、面積普及率89%に達した。複層ガラス全体では、新築戸建て住宅の戸数普及率は94・6%(2008年90・5%、前年比4・1%増)、面積普及率は89・1%(84・1%、5・0%増)。新築共同住宅の戸数普及率は46・7%(43・6%、3・1%増)、面積普及率は47・7%(45・9%、1・8%増)だった。エコガラスは、新築戸建て住宅の戸数普及率は43・3%(39・4%、3・9%増)、面積普及率は33・6%(34・0%、0・4%減)。新築共同住宅の戸数普及率は5・6%(7・2%、1・6%減)、面積普及率は8・9%(9・3%、0・4%減)だった。






 

SYSTEMA720


◇大開口で省エネ ビル窓 空気層12_複層対応〈YKK AP〉

YKK AP(東京都千代田区、田忠裕社長)は4月15日、ビル用システムウインドー「SYSTEMA(システマ)720」を発売。中間空気層12_の複層ガラスに対応し、省エネに配慮した。高い強度を持つ縦枠形状で大開口に対応し、透明感と開放感を演出する。ガラス溝幅は23_、33_、38_があり、Fix窓は48_の設定もある。厚板ガラスと中間空気層12_の複層ガラスの組み合わせで、大きなガラス面を構成しながら開口部の熱負荷軽減に貢献する。枠見込みは155_。セットバック枠を採用しており、フィン一体形状。シャープなフィンが深い陰影をつくり、彫りが深い外観ファサードを演出する。窓種はFix窓、縦滑り出し窓、外倒し窓(隠ぺい式排煙窓)、突き出し窓(同)、固定がらりがある。Fix窓と可動窓の見付け寸法を統一することで、すべての窓種が同じデザインとなる。バランスのとれた外観ファサードを構成する。




 

◇10年度助成募集 住宅・建材分野で8000万円〈財団法人トステム建材産業振興財団〉

財団法人トステム建材産業振興財団は、2010年度(第19回)研究助成の募集を開始した。地球に優しく、より安全で快適な生活環境を実現するため、住宅分野と建材分野での優れた研究テーマに対して、研究者に研究費を助成する。本年度の総予算枠は8000万円。国内の大学またはそれに準じる研究機関に所属しており、主に研究を進めている常勤研究者で、所属機関長(学長、学部長など)の推薦が必要。2009年度研究助成採択者は対象外となる。 「住宅・建材についての調査および研究」は、@技術的な基礎研究・応用研究・商品開発・工法研究A市場動向、法的諸制度、各種規格の調査および研究。@Aとも1件につき50万〜200万円を助成する。助成件数は@が40件以内、Aが7件以内で研究期間はいずれも2010年12月〜2011年11月で、2012年1月末までに完了報告書を提出することが求められる。「住宅・建材についての若手研究者の育成」の対象者は1975年4月1日以降生まれであること。若手研究者は国内の大学、大学院、高専とこれに準じる研究機関に所属し、住宅・建材についての調査研究を行っている研究員、ポストドクター、助教。1件につき30万〜50万円を助成する。助成件数は8件以内で、研究期間は2010年12月〜2011年11月。2012年1月末までに完了報告書を提出することが求められる。






 

贈られた2008年度SCKCR2PJ最優秀賞の盾


◇江信特殊に最優秀賞 石英ガラス再生技術評価〈江信特殊硝子〉

江信特殊硝子(東京都江東区、吉田信男社長)はこのほど、半導体メーカーのソニーセミコンダクタ九州(福岡市中央区、岡山政紀社長)から、「2008年度SCKCR2Pj」最優秀賞を贈られた。同社がソニーセミコンダクタ九州と協業して取り組んだ、半導体の製造に不可欠な石英ガラス製品の再生技術が評価された。石英ガラスの再生技術は、石英表面への付着物と石英表面の粗さを解消し、新品同様に再生すれば再利用できるとの発想からスタート。石英表面への付着物は、薬液洗浄で表面パーティクルを除去。石英表面の粗さは、火炎バーナーによる表面状態の復元で解決できると判断し、研究開発に取り組んだ。石英表面の粗さは、洗浄だけでは改善できないため、同社のノウハウを生かした焼き仕上げで改善するなど、両社間で技術交流を展開。焼き時間、溶融温度の条件を検討し、最適な条件を導き出したことで、高品質な石英ガラス製品の再生技術を完成した。





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